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検証 (3) 被写体透過後のエネルギーフルエンス分布(被写体コントラスト)について

X-ray-spectra.jpg

以下に示す検証を行うために、次の2種類の照射条件による

X線スペクトルを、Tucker の近似式により算出した。

 ターゲット角度 12度、固有ろ過 2.5 mm Al 当量 は

 共通である。

 (1) 管電圧:120 kV, 付加フィルタ:なし

 (2) 管電圧:80 kV, 付加フィルタ:2.5 mm Al

この2種類のX線スペクトルから算出される実効エネルギーは、

共に 37.5 keV である。

これらのX線スペクトルおよび実効エネルギーを右図に示す。

​右図に示すような、34×34×20 cm の直方体水ファントムの中に、棒状の骨組織と組織を組み込んだ被写体に、上記の 120 kV, 80 kV および37.5 keV 単一エネルギー線束を照射したとき、被写体下に射出するエネルギーフルエンスの2次元分布(被写体コントラスト)をモンテカルロシミュレーションにより求め、比較した。

被写体コントラストの計算結果およびファントム中央部分のプロファイルを​​以下に示す。

それぞれ、左が一次線のみによるもの、中央が散乱線のみによるもの、右が両者を合計したものである。

上段は、被写体コントラストを最大値で正規化し8ビットグレイスケールで画像化したものである。

下段は、画像中央(赤線上)のプロファイルである。

​120 kV X線

​80 kV X線

37.5 keV

単一エネルギーX線

プロファイルからも分かるとおり、3種類のX線束による被写体コントラストは、統計誤差を考慮しても

一致は認められず、幅広いエネルギーからなるX線束を実効エネルギーX線束で代用することはできない。

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