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検証 (4) 水ファントム内の吸収線量分布および深部量百分率について

検証(3) で用いた3種類のX線束を水ファントム(40×40×20 cm)に 照射したときの、ファントム内の

吸収線量分布および、線束中心部の深部量百分率をモンテカルロシミュレーションにより求め比較した。

X線焦点 - ファントム入射面間距離(FSD)は 80 cm, 照射野サイズは入射面において 20×20 cm とした。

 

​シミュレーション結果(ファントムを透過したエネルギーフルエンスの2次元画像、ファントム中央部断面上の吸収線量分布,ファントム中央部の深部量百分率)を下図に示す。

ファントム内の吸収線量分布(上:一次線による,中:散乱線による,下:一次線+散乱線)を見ると、

実効エネルギーX線束によるものは、80, 120 kV X線束と較べると、特に散乱線線量の深部側方向の広がりが明らかに小さくなっており、同等の吸収線量分布とは言えない。

​120 kV X線

​80 kV X線

37.5 keV 

単一エネルギーX線

ファントム中央部の深部量百分率曲線を拡大・比較したグラフを下図に示す。

一次線によるもの、散乱線によるもの、一次線+散乱線によるもの、いずれにおいても

80, 120 kV X線と実効エネルギーX線との間には有意な差異が認められる。

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