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研究者を目指す若き人たちへ
学術大会等で研究発表を終えたら、ぜひ論文化しよう
自分が力を入れて行った「研究」は「論文」をもって完遂・完結するよう心掛けよう。
実験・研究は学会発表を終えたらそれでおしまいではありません。
研究発表の質疑応答で今後の課題として残った問題点があったら速やかに追実験・追考察を行って、その問題点を解決し、次の学会で再報告しましょう。
そして最終的には「論文」という形でその研究成果を後人のために残しましょう。
さらにその論文研究から派生してくる新しいテーマに向けて、次の段階の実験・研究を開始しましょう。
科学技術論文の書き方
わ た し
管理人が科学技術論文を書く際、特に意識していることは以下の2点のみです。
(1) 論文全体の「流れ」つまり「起承転結」を明確にすること
(2) 読者にしっかり理解される文章で記述すること
(1) に関して
一般的に「緒言」→「方法」→「結果」→「考察」→「結論」→「文献」の順番に
書かれますが、内容によっては必ずしもこの順でなくてもいいと考えます。例えば、
結果内容の確認のために追実験を行った場合、「方法」の中にこの追実験を書き加
えると、読者は、この追実験は何のための実験なのか理解しづらいことが考えられ
ます。こういった場合、「考察」の中に追実験の「方法2」「結果2」を入れた方が
理解し易くなります。論文全体の「流れ」を大切にしましょう。
特に「緒言」は丁寧に明確に書きましょう。「緒言」が不明確だと、論文自体が曖
昧なものになってしまいます。緒言の中の「目的」と「結論」の整合性も大切です。
具体的な論文の作成方法は、下記の推薦書などを参考にして下さい。
(2) に関して
これまで論文査読をしていて、どれが主語でどれが述語か判然としない等々、これが
本当に論文なのかぃ? と疑うようなシロモノに出会うことがありました。
論文草稿ができたら、読者に理解されやすい記述になるよう何度も文章を推敲すると
ともに、投稿前に論文執筆経験者に読んでもらうと良いでしょう。
ただし、科学技術論文は「理解されやすい」だけではなく、だれが読んでも同一に解
釈される必要があります。同じ個所を読んだAさんとBさんが異なった解釈をしてし
まうような文章記述は、科学技術論文としては不適切です。
すべての読者にまったく同じように解釈される美しい文章で論文を書きましょう。
はじめて科学技術系の論文を執筆する人への推薦書
木下是雄 著
理科系の作文技術
中公新書-624. 1981.
杉原厚吉 著
理科系のための英文作法
中公新書-1216, 1994.
上記の他に、名著
Johns HE and Cunningham JR. The Physics of Radiology,
(Charles C thomas publisher).
の英文および図表のキャプションはとても分かり易く
(英語) 論文を書く上で参考になります。
グラフ作成
科学技術論文を書く上で図表は不可欠です。
Microsoft Excel などで簡便にグラフを作成することができますが、できるだけ
美しくて分かり易いグラフを作りたいものです。これは、論文だけではなく学会研究
発表のスライドで示すグラフにも言えます。
種々のグラフ作成フリーソフトが公開されていますが、管理人は 20年以上前から
(Windows 95 時代)、グラフ等の作成に Plots32 というソフトを使用してしています。
Plots32 は、非常に見やすく美しいグラフを簡単に作成することができます。作成
されたグラフは Word, Excel, Powerpoint などに貼り付けることができ、論文の挿入
グラフの作成やプレゼンテーションなどに有用な、優れものソフトです。
わ た し
Plots32 ダウンロードサイト
または
使用方法は、圧縮ファイルに入っている tutorial.doc に記載されています。
その他、インターネット検索で「Plots32 の使い方」が見つかります。
以下 Plots32 を用いて作成したグラフ例 (クリックで拡大表示)
コンクリートに対する実効線量透過率
水に対する電子の質量衝突阻止能
空気吸収線量を基にした後方散乱係数
グラフ以外に、このような模式図を描くこともできる
スライド貼り付け用グラフ:光子と物質 (鉛) との相互作用断面積
背景色を白 (デフォルト) とした場合
背景色を濃青色とした場合
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